煮すぎた日記

考察や感想、云々を書きます。

キングスマン ゴールデンサークルを見た(ネタバレ感想)

みるみると言って2年くらいは経ったが、やっと見た。

(でもまさかこれが人生初記事になるとは)

 

前作はよく記憶に残っている。ツッコミどころはあるもののアクションや爽快な演出が際立つ鑑賞してて非常に楽しい映画だった。

ラストシーンの例の威風堂々な爆発は涙が出るほど爆笑した。ちなみに威風堂々はイギリスの貴族が作曲した曲らしい。皮肉がきいてて趣が深い。(?)

 

しかし、まあ、今作はどうだ。どうしてだろう、苦笑の連続だった。

 

まず、この記事では結構批判的な評価を下す内容を書くつもりなので、情状酌量の余地ありとして個人的に良しとした箇所を挙げたいと思う。

 

ここからネタバレあり。

 

良かった点

 

 さて、前作でハリーは気の毒な死を遂げてしまったわけだが、どういうわけだが生きていた。が、代償を伴う復活であり、自身のそのキングスマンとしての記憶をすべて失くしてしまっていた。

記憶を失ったハリーに会ったエグジーとマーリンは深く落胆し、もとのハリーはもう戻らないのだと察するが、彼のキングスマンのエージェント選抜試験のために飼い、かつ射殺せよと命じられた犬と同じ犬種の犬を彼に見せ、その強烈な記憶を思い出させることに成功する。無事キングスマンであった自分を思い出し、ハリーはエグジーと抱き合う。

 

ハリーが戻ってきたことは個人的には結構うれしかったし、「なるほど、そりゃ思い出しそうだな」と納得できるシーンであったため、まあまあ見事なシーンではあると思った。

 

あとは、やはりマシュー・ヴォーンの手掛ける圧巻のアクションシーンには目を見張るものが、今作もあった。特に冒頭のカーアクションとその乱闘のシーンや、ウィスキーのガンアクションシーンはカメラワークが案の定素晴らしかったし、今でも脳裏に残っているほどです。

 

しかしこのようなアクションシーンは前作でも顕著であったし、今作特有の面白ポイントはあまりなかったと感じた。

 

付け加えるとしたらマーリンとエグジーがステイツマンを飲んで酔いどれていたシーンですかね。

あとカントリー・ロードの醸し出した雰囲気は何かよかったですね。うまく言えないけど。

 

酷かった点

 

いくら続編だからと言っても、前作を越えられる続編は難しいと言われても、これは前作の良くなところだけを踏襲したよくわからん映画にはなっちゃいかんのだ。

 

まずそんな主要キャラを殺すな。いくらなんでも限度というものがある。確かに衝撃度でいったらかなりのもので、そういう展開がある映画ではあると思っていたが、その後の対応などが色々と雑。そんくらいのことするんだったら、もっとダークな雰囲気になってもいいものを、かなり淡々と物語が進行してしまうのはどうかと思う。

 

まあこの辺はハリーの復活で嬉しくなって一時的には忘れられた。

さあ、ハリー復活で残されたキングスマンのみで、悲しみと怒りを胸に、キングスマンらしく紳士的に、どう立ち回っていくのか期待が膨らんだのを覚えている。しかしどうだろう、このような今作の脚本の見せ所だ!という局面で大コケをかます

 

今作のヴィランのポピーがあまりにも微妙。

 

麻薬界の全権力を握り、数億の命を人質にとり、規格外な財力と権力をもってながら、その負け方があまりにもあっけない。警備薄すぎるし、キングスマンを突き止めることができるくせにステイツマンには全く無警戒かつ、一回解毒薬が盗まれたにもかかわらず警備を固くするとか、場所を変えるとかしっかり対応しないその姿勢はあまりにも愚鈍。

あとあのポピーの側近っぽいキングスマン失格者の兄ちゃん、雑魚すぎる。

そのゴッツイ腕伸ばすだけしかできんのか...

あげくポピーは記憶喪失明けのリハビリおじさんと若造にあっさり敗北。解毒剤配布のパスまで簡単に手渡してしまう始末。あまりにも解せない。

前作のパリピサイコのキャラが強すぎたのもあったけど、もう少し魅力的かつ強力なラスボスに仕上げるくらい出来ただろうに...

 

そのほかウィスキーがミンチになったことだったり、エルトンジョンの完璧な出オチ感だったり、色々文句の付け所はあるものの、ネットを漁ればほかのレビュアーが既に語っているため、ここでむやみやたら喚くのもナンセンスなので省略する。

 

ハリーが行き帰ったのであればほかの主要キャラたちも帰ってきて欲しいけどなあ...

 

総評

 

悪ふざけが過ぎたのだろう。期待通りではなかったものなかなか楽しめた...などと言って甘やかすのには無理がある。そもそもキングスマンの続編としてではなく、一映画としてもどうかしている箇所が多いのだ。

前作で許されていたツッコミどころ満載でハチャメチャな展開は敵勢力とのトンデモ衝突とかその場のテンションとかで乗り越えられていたものの、今作は、いや、そうはならんだろ、そうはなってはいかんだろの連続で、真顔でツッコミを入れる始末。いいキャラも雑に殺すし正直裏切られた気分...

 

...まあそもそもこういう映画になじめていない自分が悪いと元も子もないことを思ったりもするが。

 

おまけ

 

こんな前の映画を今更評価するのも変かもしれなかったが、今年冬に公開するファーストエージェントをどういう心持で待ち構えるかに影響すると思う。シンエヴァを見たときに予告を始めてみて、めちゃくちゃ興奮してしまったので大いに期待せざるを得ないが、ゴールデンサークルの二の舞を踏まないか一抹の不安が残ってしまう。

(調べてみたらどうやらファーストエージェントの実際の公開は2019年冬だったらしい。20thフォックスの買収やコロナで延期に延期が重なって2年も待つ結果となったと。ちなみにコロナだけで4回は延期になっている。)

 

初記事ということもありつたない文章ではありますが、一生懸命書きました。ほんとはもっと華やかな記事にするつもりだったのですが、最近あったことで書き残したかったのがこれでしたので...あしからず。